(1) 応力の概念が理解できる(小人さんの気持ちが分かる)

   (2) 任意の点の応力を算定することができる






   平成3、12、19、20年に出題されています(ノート演習問題参照のこと)





1.5.1 応力とは


  応力とは:構造物に荷重が加わった際に、部材内で生じる抵抗力

  小人さん論法(その1):部材内に小人さんがいることをイメージすると、ちょっと分かりやすいかも

   → 構造物に荷重が加わった際に、内部の小人さんがどの程度“痛い”のか?

   → その“痛み”=“応力”です(小人さんの気持ちが分かれば、応力も分かるのでは?)

   詳しくはコチラ(小人さん論法01 応力とは)



1.5.2 応力の種類


  応力の種類:軸方向力(N)、せん断力(Q)、曲げモーメント(M)の3種

   → 小人さんはこの3種の痛みに日々さらされているんです

  なぜ3種類?:力の方向が3種類(縦・横・回転)だから…


  軸方向力(N):構造部材が潰されたり(圧縮)、引張られたりされた時の応力

   → 対象となる力は部材に平行な力(圧縮や引張だからね)

   → 唯一符号がつく:圧縮をマイナス(−)、引張をプラス(+)で表記

   → 以下の図のA点に対して軸方向力の影響を与える力は、P2・V1・V2の3つ

     (たとえどんなに離れていても、部材がつながっていれば力は伝搬します)


        



  せん断力(Q):構造部材にはさみで切られるような力がかかった時の応力

   → 対象となる力は部材に鉛直な力(柱をはさみで切ってー、って言われたらはさみの向きは横だね)

   → 符号つけなくてOK(計算中は符号を考えるけど、最終的に絶対値表記) ← 符号をつける、ってテキストもありますが…

   → 以下の図のA点に対してせん断力の影響を与える力は、P1・P1・H1の3つ


        



  曲げモーメント(M):構造部材に曲げられるような回転の力がかかったときの応力

   → 対象となる力は全て(モーメントの距離の概念、点からちょっとでもズレるとモーメントが発生するから)

   → 符号はつかない(計算中は符号を考えるけど、最終的に絶対値表記)

   → 符号が付いているテキストは間違い(当サイトの2008年バージョンとかね…)

   → 以下の図のA点に対して曲げモーメントの影響を与える力…全て


        



1.5.2 応力算定


  応力の算定:応力を求めたい点で構造物を切断! ← これ最重要

   → 切断して中の小人さんを表に出さないと計算できないので

  計算対象:切断後、2つに分かれたパートのいずれかを計算対象とする

   → どうせ答えは同じだから…力の大きさが等しく、方向が逆なだけ

  計算例:下記のシチュエーション(詳しくは以下の《解法手順》にて)

   → A点で切断 → 右下部分を計算対象に

   → 計算対象に含まれる力はV2のみ → 軸方向力:N=−V2

   → せん断力:Q=0、曲げモーメント:M=0 以上!

     





   以下の構造体(単純梁)のC点の各応力を求めてみましょう

1) 生じる可能性のある反力を図示

2) 応力を求めたい点で構造体を切断!

3) 計算対象を決定(計算対象とならなかった力は応力算定時には完全シカトすること!

4) もし、未知力が入っていたら、ここでようやく未知力(反力)を求める 図は1)に戻るよ!)

5) せん断力は軸に対して鉛直な全ての力が対象、

   軸方向力は軸に平行な力の全て、曲げモーメントはとにかく計算対象側全部の力


クリック(解説です)






   小人さんの気持ちになって考える

   応力を求める場合には、応力を求めたい点で構造物を切断! → 計算対象は片側のみ

   軸方向力(N)は部材に平行な力、せん断力(Q)は部材に鉛直な力、曲げモーメント(M)は対象全ての力







   ダウンロード(ノートも一緒になっています) 註!2011年2月24日改訂(過去問を追加しました)